特別展示:広告効果とスポンサー制度
広告効果とスポンサー制度痛車とスポンサーとの関係
今回の特別展示はこの数年広がりを見せている通称「痛車」の話を進めて行く事にします
近頃街中をアニメーションのキャラクターをまとった車を見かける事があると思います、街中では違和感のある痛車も非日常の世界である
サーキットでは珍しくないほどその数を増やしつつあります、GT選手権ではチーム・マッハが2001年からタツノコプロがスポンサーになりモスラーMT900Rをマッハ号のカラーリングをまとって参戦、その後タツノコプロ40周年事業として九州地区を中心とした「マッハ車検」が始まる
初代マッハ号モスラーMT900R
トイ・ストーリーやカーズといったディズニー映画の宣伝の為に年間契約でスポンサーになったり、バンダイのようにプラモデル業界からガンダムのカラーリングを施したマシンやピットクルー、レースクィーンがも登場したりと年に1~2台はこういった「痛車」は参戦していました
新しい広告効果とファン層拡大の動き
大きく流れを変えたのはGSR(グット・スマイル・レーシング)がSUPER GTに参戦してきた事でした
GSRは所謂アニメのキャラクターではなくボーカロイドと言われるパソコンソフトのキャラクター「初音ミク」を前面に立てた「痛車」でSUPER GTに参戦
ここで有名になったのは個人スポンサー制度、確かに昔からこの手のスポンサー制度はありましたがここまで大規模に行ったのはおそらくここが最初と思います、チームは初年度は大苦戦、サーキットに到着してもまともに走れない、予選も通らない(嘆願書で予選を切り抜けることも)状態でしたが個人スポンサーはそれでも増え続けチームもメンテナンスガレージを次々と変えマシン、ドライバーを入れ替えそして2011年には優勝を飾る所まで戦闘力を上げてきた、そして年間3勝を上げ念願のタイトルを手に入れた
チーム立ち上げから応援している個人スポンサーにとって初めはレース業界に興味が沸かなくとも徐々に強くなっていくチームを応援できるという体験は後々のレースファン層の拡大につながると思います、事実1万5千人以上の個人スポンサーを持つGSRがサーキットに足を運ばせた新規のファンは馬鹿にできない数に上ると推測されます
ここで他のチームも黙っていませんでした、次々と個人スポンサー制度を採用してチームの予算拡大と広告効果を狙った戦略に出ます
おまけ特典目的でスポンサーになる方も多いと思いますが、チームとファンが一体となった企画を次々と立ち上げるのはマイナースポーツのモータースポーツ業界にとってひとつの問題提起になったと思います
なかなか集まらない企業系スポンサーより喜んで出資してくれる個人スポンサー、個々の金額は少ないですが1万5千人が1000円でも出してくれれば1500万円(諸経費の除く)中小チームならのどから手が出るほどの運営資金でしょう
実際有名チームでもスポンサー不足で毎年の参戦が危ぶまれる所もありますので新しい広告効果とファン層の拡大(アイテムの販売収入)を目指してこれからも増えてくると思われます
どのチームも勝つ為にマシンを整備し強いドライバーを確保しようと努力しています、1度現地観戦をしてみてこの非日常の世界を楽しんでみませんか?